石けんについて 石けんの脂肪酸

手作り石けんの作り方(コールドプロセス)

作り方 絵でみる作り方

手作りした石けんを使うようになると、もう市販の石けんでは満足できなくなります。
ご自分のお気に入りのレシピで石けんを作ってみましょう。
※ 石けん作りは、梅雨から真夏の湿度の高い時期は避けた方が失敗が少なくてよいようです。
4~5月の暖かい春がベストシーズンですが、冬でも反応熱を逃さないよう工夫すれば、よく乾燥する季節なので上手にできます。

準備するもの

道具

ボウル 

オイル用と苛性ソーダ水の冷却用に2個。オイル用は加熱するので金属製以外の耐熱製でポリカーボネイト樹脂製やガラス製がよい。ポリカーボネイトは軽いのでお薦めです。オイル用のボウルの大きさは24㎝(容量2.8L)ですとオイル1kgが楽に作れます

鍋 

湯煎用。融点の高いハードオイル(パーム油などの固体の油)をボトルから出すために使用。

温度計 

100度が計れるものを2本。オイルと苛性ソーダ水に使用します。ガラス製が価格も安く一般的ですが、割れるのが心配でしたらデジタル性のものでも可。

レンジ 

ボウルの中のオイルを温めます。レンジで加熱する方法が石けんの作り方で一番簡単な方法だと思います。オイルの温度が高温にならないように注意します。

量り 

正確に量るには必需品です。

耐熱プラポットまたは金属製以外の耐熱容器 

苛性ソーダ水を作る時に使用します。苛性ソーダに水を加えると、70度くらいになるので、必ず耐熱の物で容量が500ml位のもの。

スプーン 

苛性ソーダをすくうのに使用します。

かき混ぜ棒 

苛性ソーダを溶かす時に使用。

軽量カップ 

精製水用に使用。

保冷剤または氷 

苛性ソーダ水は60~70度になるので40~45度位の適温にするため、必要に応じて使用します。

泡立て器 

ボウルにオイルと苛性ソーダ水を合わせて混ぜる時に使用。

ラップ 

混ぜ終わったボウルの中の石けんの「タネ」が型入れ状態になるまでラップをして待ちます。材料によってはトレース(型入れ時)が早く来る場合があり、その時は不要。

スパチュラ(ヘラ) 

型入れ時に使用。

型 

牛乳パックや市販の容器、モールドなど、お好みのもの。型から取り出しやすいようにクッキングシートがあると便利。

保温箱 

型入れした石けんを寝かせるのに使用。反応熱を維持するため、熱が逃げないように発泡スチロール箱などがあればベスト。
寒い時期はそれに毛布など掛けて熱が逃げないように工夫します。

保護

エプロン 

メガネまたはゴーグル 

苛性ソーダに水を注ぐ時に少し蒸気(臭気)が出ます。危険なので眼を保護します。

マスク 

苛性ソーダに水を注ぐ時に少し蒸気(臭気)が出ます。危険なので吸い込まないように喉を保護します

ゴム手袋 

型入れが終わるまで、常に使用します。

材料

      

オイル・バター 

食品グレード以上の物を使用します。
脂肪酸の特性を考慮してオイルは基本的には、オリーブオイル・パームオイル・パーム核オイルの3種を使用します。
ココナッツオイルはパーム核オイルの脂肪酸と同じような働きがあるのですが、お肌のためにはパーム核オイルの方がマイルドです。(キャスティール石けんの場合はオリーブオイルのみ使用)
その他、脂肪酸の特徴や出来上がりの好みに応じて使用するオイルやバターを決めます。

苛性ソーダ 

薬局で入手します。購入時に印鑑と身分証明書が必要です。


強アルカリで危険物。石けん作りには欠かせないものですが、取り扱いにはとても注意がいります。
苛性ソーダに水をプラスすると少し蒸気(臭気)がでます。必ず換気をして吸い込まないように気をつけましょう。
また、ソーダ水が眼に入ると失明する恐れがあります。眼も保護しましょう。
皮膚に付くと火傷をします。素手では触らず、必ずゴム手袋をして手を保護しましょう。

精製水 

水道水ですと不純物があるので、精製水を使用します。

オプション類 

高価なオイルや色付けのためのパウダー、保湿のための蜂蜜などお好みのもの。

必要に応じて(オプション使用時)

計量スプーン、玉じゃくし、ボウル

作り方

製作場所 / 石けん作りは水や火を使うのでキッチンで作ります。
※ 小さなお子さまやペットがいる場合は近寄らないように注意してください。

1.レシピ作りと鹸化計算

各オイルの鹸化価から苛性ソーダの量を計算します。その時オイルの全量を鹸化しないで、余剰オイルを10%前後残しておきます。(鹸化率85~95%くらい)
未鹸化オイルが多い(鹸化率が低い)と「しっとり系」で、少ない(鹸化率が高い)と「さっぱり系」の石けんになります。
インターネット上では便利な自動計算機がたくさんあります。
「 uki uki 石けんライフ」 http://sekken-life.com/life/simulation/calculator.php
「Cafe de Savon」 http://www.rakuten.ne.jp/gold/cafe-de-savon/calculator.html
「むぎちゃんの石けん日記 」http://mugi.sub.jp/computer/calculator.html
他にも計算機があるので、検索してご自分の使いやすいものを選んでみてください。


<石けんのレシピについて>

石けんは脂肪酸で性質が決まります。泡立ちの良い石けんや硬い石けんにしたい場合など脂肪酸を参考にレシピ作りしてください。
高価なオイルを使用しても基本のオイルと変わらない出来上がりになることがあります。

2.道具と保護

道具と材料を揃えて、エプロン、ゴム手袋を付けます。
換気をして鍋を火にかける。ハードオイル(パーム油などの固体の油)をボトルから出しやすく柔らかくするため、湯煎する。

3.苛性ソーダ水を作る

耐熱プラポットまたは金属製以外の耐熱容器に苛性ソーダを量り入れます。
苛性ソーダがこぼれるのが心配でしたら、下に新聞紙など敷いてください。
軽量カップに精製水を量り入れます。換気をして、マスク、メガネまたはゴーグルをします。
安全のため流しの場所で、苛性ソーダに精製水を少しずつ加え、かき混ぜ棒で溶かします。
70度位の高温になり油断をすると危険ですので、飛び散りなど注意して行ってくだい。
本来の仕方は精製水に苛性ソーダを加える。
冷却用のボウルに水をはりソーダ水を冷やします。

苛性ソーダに水をプラスすると少し蒸気(臭気)がでます。必ず換気をして吸い込まないように気をつけましょう。
また、ソーダ水が眼に入ると失明する恐れがあります。眼も保護しましょう。
ソーダ水が皮膚に付くと火傷をします。素手では触らず、必ずゴム手袋をして手を保護しましょう。

4.オイルを温める

ボウルに量り入れたオイルを、適温(40~45度)になるようにレンジで温めます。


<ミリスチン酸・ステアリン酸を使用する場合>

融点が高くフレーク状なので、ハードオイルと一緒にボウルに量り入れてレンジにかけます。高温にならないよう注意し、様子を見ながら時々かき混ぜて溶かします。
高温になりすぎるとオイルが早く劣化します。必要最低限の温度で溶かします。
融点・・ミリスチン酸 52~54度 / ステアリン酸 67~72度
材料にミリスチン酸・ステアリン酸を使用すると、それぞれ全油量の2%程度の使用でもトレースがとても早く出ます。

このとき、適温より高温になっているので、残りのオイルを量り入て温度を下げます。適温(40~45度)以下の場合はレンジで加熱します。

5.温度を合わせる

苛性ソーダ水とオイルの温度を合わせます。ソーダ水がまだ高温であれば適温(40~45度)になるように保冷剤など利用します。
双方が適温の範囲内であれば、若干違っていても大丈夫です。

6.混ぜ合わせる

オイルのボウルに苛性ソーダ水を少しずつ加え、泡立て器で混ぜ合わせます。ソーダ水が全量入ったら、マスク、メガネを外しても大丈夫です(ゴム手袋は最後までつけています)
後は飛び跳ねに気をつけながら、20分間混ぜます。

7.トレース

ボウルに泡立て器を入れた状態でラップをし、型入れ状態のトレースが出来るまで待ちます。
トレース・・泡立て器を持ち上げた時にカスタードクリームのような状態になる。
ミリスチン酸・ステアリン酸を使用した場合、20分間混ぜ終えた時点でトレースが出来ることがあります。

8.オプションと型入れ

型入れ直前に好みのオイルやハチミツなどを加える。
粉末の場合、「タネ」を玉じゃくしで一杯分ボウルに取り、混ぜ合わせてから戻す。
好みの型に入れます。

9.保温箱に入れる

保温箱に24時間入れます。この時、反応熱が出ていますのでしっかり保温してください。
その後、もう24時間放置してから型から取り出します。
熟成期間が終わるまでは、石けんに触れる時はゴム手袋をして手を保護します。

10.熟成

型から取り出した石けんを切り分け、日陰で風通しの良い所で約1ヶ月間寝かせます。
1ヶ月が過ぎると使用出来ますが、まだ柔らかい場合、もう1ヶ月ほど寝かせて乾燥させても良いでしょう。

絵でみる作り方

1.換気をする
2.ハードオイルを湯煎する
3.保護をする
4.苛性ソーダ水を作る
5.オイルを温める。※ミリスチン酸・ステアリン酸を入れる場合はその時に一緒に溶かす
6.高温の場合、残りのオイルを足して、苛性ソーダ水と温度をあわせる
7.オイルのボウルに苛性ソーダ水をいれる
8.20分間かき混ぜる
9.トレースが出たら、オプションを入れる
10.型に入れる
11.保温箱で寝かせた後、切り分ける
12.1ヶ月熟成させて完成